キャリアづくり

【体験談】「社内でしか通用しないスキル」の正体|抜け出すための具体的なステップ

【体験談】「社内でしか通用しないスキル」の正体|抜け出すための具体的なステップ

社内でしか通用しないスキルしか身についていなくて、将来が不安」

悩み
悩み

わかります。周りで「スキルを活かして転職した/独立した」なんて話を聞くと、「自分は何しているんだろう」と焦ってしまいますよね。

最近では、これまで人間しかできなかったようなスキルまでAIがこなすようになっているので、自分のスキルの市場価値にはますます敏感になってしまうと思います。

この記事でわかること

Q

「社内でしか通用しないスキル」の具体例と解決策を知りたい。

A

「社内でしか通用しないスキル」には2つの特徴があります。そうしたスキルから抜け出すためのヒントは、①一般化するセオリーを学ぶ、です。

この記事では、「社内でしか通用しないスキル」に悩みつつも30代で未経験の異業種に転職した私が、「社内でしか通用しないスキル」の正体と解決策を、わかりやすくコンパクトに解説します。

この記事を読んでもらえれば、「社内でしか通用しない」とモチベーションが下がっている仕事でも、前向きに取り組めるようになりますよ。

「社内でしか通用しないスキル」を見極めるポイント

そもそも「社内でしか通用しないスキル」とは、どのようなスキルなのでしょうか。

これは企業ごとに違うので、なかなか一覧を提示するのが難しいですよね。

私は見極めるポイントが2つあると考えています。

「社内でしか通用しないスキル」を見極める2つのポイント

  • 社内の特定の個人や仕組み(システム)に依存している
  • 社内独自の基準に基づいて過度に分業化されている

私の体験談も交えて、「社内でしか通用しないスキル」を見極めるポイントを解説しますね。

社内の特定の個人や仕組み(システム)に依存している

「社内でしか通用しないスキル」を見極めるポイントの一つ目が、「社内の特定の個人や仕組み(システム)に依存している」かどうかです。

あなたの会社にも、自分のマイルールを押し付けてくる上司っていませんか?

私が以前勤めていた会社にはこんな独自ルールを掲げる上司がいました。

前職での経験した独自ルール

  • 企画書はA3サイズにする
  • リモートOKは2回目以降の会議から
  • 役員以上が参加する会議はリモート不可
  • 社長には資料のメール添付禁止。印刷して秘書に渡す

その上司は、「こうしたルールに則って進める仕事が良い仕事」だと考えているようでした。

しかし、こうしたルールは効率や成果を考えて合理的に生まれた訳ではなく、上司や社長の単なる好みからできたルールです。

ルールの正当性の根拠が、特定の個人(上司や社長)にしかないんですよね。

そのため、当たり前ですが、上司や社長も違う別の会社では、こうしたルールは通用しません。

社内独自の基準に基づいて過度に分業化されている

「社内でしか通用しないスキル」を見極めるポイントの二つ目が、社内独自の基準に基づいて過度に分業化されているかどうかです。

皆さんの会社にも、その会社にしかない担当業務って、ありませんか?

私はテレビ局で記者をしていたときに「朝刊チェック担当」をしていたことがあります。

どんな仕事なんだと思いましたか?笑

これは毎朝、会社に配達される多数の新聞すべてに目を通して、次のことをチェックする役割です。

朝刊チェック担当の仕事

  • 「抜かれ」(自社が報じていないニュース)がないかチェックする
  • 「抜かれ」があったかなかったを部署内にメールで配信して知らせる

本来、業務のために新聞を見ることは個々人の裁量でやるべきことですが、私が勤めていたテレビ局では担当者を置いて分業していました。

これも普通の会社であれば、まずお目にかかることのない仕事だと思います。

朝刊はスポーツ紙も含めると10紙ほどあるので、効率的に読み進めるには結構コツがいるんですが、当然、他社では使えないスキルです。

「社内でしか通用しないスキル」のメリットとデメリット

ここからは「社内でしか通用しないスキル」のメリットとデメリットについて、考えてみたいと思います。

社内でしか通用しないスキルのメリットとデメリット

  • メリット|会社から評価されやすい
  • デメリット|転職しづらい、社内環境の変化に弱い

メリット|会社から評価されやすい

実は「社内でしか通用しないスキル」にもメリットがあります。

それは「会社の評価につながりやすい」ことです。

例えそれが「社内でしか通用しないスキル」であったとしても、会社にとっては「必要なスキル」です。自社に最適化してくれた人材は、会社にとっては宝ですから、会社が冷遇するはずがありませんよね。

デメリット|転職が難しくなる/社内環境の変化に弱い

一方で、「社内でしか通用しないスキル」には、もちろんデメリットもあります。

「社内でしか通用しないスキル」のデメリット

  • 転職が難しくなる
  • 社内環境の変化に弱い

なぜなら、「社内でしか通用しないスキル」は、その名の通り、特定の会社でのみ評価されます。

そのため、他の会社では役に立たないので、市場価値は低くなってしまい、転職が難しくなります。

また、会社の社長が交代したり、経営方針に劇的な変化があった場合も要注意です。

社長の交代や経営方針が変わると、「社内でしか通用しないスキル」が「社内ですら通用しないスキル」になるケースがあるからです。

例えば、「いままで企画書はA3で!」と言われていたのが、上司や社長が交代したことで、「今度からはA4で!」と言われることがあります。

これは私が実際に経験した話です笑。

いまの会社に骨を埋めるのであれば、「社内でしか通用しないスキル」を磨くのもいいかもしれませんが、私はおすすめしません。

「社内でしか通用しないスキル」への解決策

ここからは、「社内でしか通用しないスキル」をマイナスに捉えている方の対応策を考えてみます。

「社内でしか通用しないスキル」にはデメリットが多いことはわかっていても、会社員であれば業務上の指示で、どうしてもやらざるを得ない場合がほとんどですよね。

そうした場合に、私が試してみて効果的だったのが次の方法です。

「社内でしか通用しないスキル」の解決法

  • スキルを一般化する
  • セオリーを学ぶ

STEP①:スキルを一般化する

「社内でしか通用しないスキル」を解決する最初のステップは、「スキルを一般化する」ことです。

よくわからないですよね笑。なるべく伝わるように、私の体験談をご説明します。

まず、私がかつて経験した「社内でしか通用しないスキル」は次のようなスキルです。

私が経験した「社内でしか通用しないスキル」

  • 企画書はA3サイズにする
  • リモートOKは2回目以降の会議から
  • 役員以上が参加する会議はリモート不可
  • 社長には資料のメール添付禁止。印刷して秘書に渡す

この独自ルールは、私の上司がメンバーに押し付けていたルールです。なぜ、こうしないといけないのか、私は疑問に思っていました。

でも、ある時、上司の独自ルールのひとつひとつは「仕事に進め方」に関するもので、彼が言っているのも「数ある仕事の進め方のうちのひとつのスタイル」だと思うようになりました。

これが私が言いたい「スキルを一般化する」ということです。

つまり、「社内でしか通用しないスキル」だと思っていた上司の独自ルールの捉え方や解釈が、私の中で変わったのです。

✖ :上司の独自ルール⇒「社内でしか通用しないスキル」
〇:上司の独自ルール⇒「仕事の進め方」に関するスキルのひとつ

「社内でしか通用しないスキル」だと思っていたスキルにも、自分なりの意味を持たせることで、向き合い方もガラッと変わりました。

ぜひ、あなたが悩んでいる「社内でしか通用しないスキル」にも当てはめてみてください。

STEP②:セオリーを学ぶ

「社内でしか通用しないスキル」を解決する二つ目のステップは、「セオリーを学ぶ」ことです。

前の章でご紹介しましたが、私は「社内でしか通用しないスキル」だと思っていた上司の独自ルールを、「仕事の進め方」に関するスキルだと一般化して捉え直しました。

✖ :上司の独自ルール⇒「社内でしか通用しないスキル」
〇:上司の独自ルール⇒「仕事の進め方」に関するスキルのひとつ

すると、自然と「じゃあ、どこでも通用する仕事の進め方って何なんだろう?」と考えるようになりました。

上司の仕事の進め方には違和感がある。ならば「どんな仕事の進め方だったら自分が納得できるのか」。この問いに向き合うことにしたんです。

そう思い立って、色々調べるうちに、仕事の進め方を体系的にまとめた「プロジェクトマネジメントという分野があることを知り、学び始めました。

これが「セオリーを学ぶ」ということです。

仕事の進め方のセオリーを知った後では、前ほどに上司の独自ルールに従うことに抵抗を感じなくなりました。

他の会社でも活かせる仕事の進め方のセオリーを学んだことで、気持ちに余裕が生まれたことが大きな理由です。

セオリーを知ったことで、意味がないと思っていた上司の仕事の進め方の良い点にも気が付くことができました。

まとめ|社内でしか通用しないスキルを「拡張」しよう

以上、「社内でしか通用しないスキル」の特徴と解決法をご紹介しました。

「社内でしか通用しないスキル」を見極める2つのポイント

  • 社内の特定の個人や仕組み(システム)に依存している
  • 社内独自の基準に基づいて過度に分業化されている

「社内でしか通用しないスキル」の解決法

  • スキルを一般化する
  • セオリーを学ぶ

「社内でしか通用しないスキル」は、それ自体は市場価値が低いスキルです。

ですが、そのスキルを深掘りして一般化できる要素を見つけて、体系的なセオリーを学べば、他の会社でも活かせるスキルに変えられる可能性があります。

私は前職で、この考え方を様々な業務に適用して、自分のスキルを拡張しました。30代で未経験の異業種に転職できたのも、そのおかげだと思っています。

「社内でしか通用しないスキル」でも、せっかく時間を費やして身につけたスキルなら、まずそれを活かす方法を考えてみるのがいいと思います!

この記事で紹介した方法をぜひ、試してみてください!