この記事でわかること
- 「IT初学者」にも“基本情報”がおすすめな理由
- 「科目A試験≒ITパスポート試験」
- 「科目A試験免除制度」で学習の負担軽減
「ITパスポート試験と基本情報技術者試験のどちらを受験するか迷っている」
「基本情報技術者試験は、IT初学者にはハードルが高そう」
この記事では、こんなお悩みや疑問をお持ちの方に、私なりの見解をお伝えします。

先に結論をお伝えすると、「ITパスポート」と「基本情報技術者」の受験で迷っているのであれば、最初から基本情報技術者試験を受験することをおすすめします。
理由は次の3点です。
- 基本情報の「科目A試験」の難易度は、ITパスポート試験をほんの少し難しくした程度
- 「科目A試験免除制度」を利用すれば、学習の負担を大きく下げられるから
- ITパスポートよりも、合格するメリットがはるかに大きいから
確かに基本情報技術者試験は「ITエンジニアの登竜門」と言われ、一見するとIT初学者には受験のハードルが高そうです。
かくいう私も、いきなり「基本情報技術者試験」を受験するのではなく、まず「ITパスポート試験」に合格した後に「基本情報技術者試験」を受験しました。

ですが、いま振り返ると「最初から基本情報技術者試験を受験してもよかった」と思っています。特に「科目A試験免除制度」については、合格した後に知ったので、利用すればよかったと後悔しました。
2023年から始まった新制度の影響もあって、基本情報技術者試験はIT初学者でも段階を踏んで合格を目指しやすい試験になりました。
基本情報技術者の受験まで視野に入れている人は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
基本情報技術者試験とは?
まず、基本情報技術者試験について、簡単におさらいします。
基情報技術者試験とは?
- 「ITエンジニアの登竜門」と呼ばれるIT系の国家試験
- 難易度はITパスポート(レベル1)に次いで「レベル2」の位置づけ
- 「ITを活用する人」ではなく、「ITを作る人」のための試験
基本情報技術者試験は、情報処理推進機構が法律に基づいて実施している「情報処理技術者試験」の一つです。
全体の中の難易度は、最も難易度が低い「ITパスポート試験」に次いで「レベル2」と位置づけられています。

しかし、「ITパスポート試験」と「基本情報技術者試験」は、「英検3級」と「英検2級」のように難易度が違うだけではありません。対象となる受験者に明確な違いがあります。
下の図は、情報処理技術者試験の各試験の位置づけをまとめた図です。
情報処理技術者試験は大まかに、「ITを利活用するユーザー」向けの試験と、「ITを作る側であるエンジニアなどの情報処理技術者」向けの試験に分かれています。
この区分を見ると、「ITパスポート試験」はITを利活用するユーザー向けの試験で、「基本情報技術者試験」はITを作る側であるエンジニアなどの情報処理技術者向けの試験であることがわかります。

こうした理由から基本情報技術者試験は「ITエンジニアの登竜門」と呼ばれています。ITを作るために必要になるプログラミングに関する知識も試され、ITパスポート試験よりも難易度が高くなっています。
基本情報技術者試験はITエンジニアにとっては「取得して当たり前」とされていて積極的な評価につながらないようですが、文系・非IT系の社会人にとっては市場価値を高める有益な資格です。
実際に私は転職にも有利に働きました。試験の詳細は、以下の記事をご覧ください。
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どちらを受ける?ITパスポートと基本情報技術者試験の違い
なぜIパスから受験しようと考えるのか
ここまでの説明を聞いて「“基本情報技術者試験”はIT初学者にはハードルが高いから、ITパスポート試験から受験しよう」と感じた方もいらっしゃるはずです。

かくいう私もITパスポート試験に合格してから、基本情報技術者試験を受験しました。
当時は、以下のような考えから「基本情報」よりも「Iパス」を先に受験する方がよいと考えました。
- 基本情報技術者試験は「ITエンジニアの登竜門」と言われるレベルの試験
- 「iパス」はレベル1で、「基本情報」はレベル2
- 「基本情報」は2つの試験があって、文系でIT初学者の私には学習の負担が大きい
- 最初から「基本情報」を受験すると「ハードルが高くて挫折してしまいそう」
- iパスに合格して「IT知識の基礎固め」をしてから、基本情報を受験しよう
このように考え、まず「ITパスポートでIT知識の基礎固め」をしてから、「基本情報技術者」を受験しようと考えました。
結果的に、この計画は成功したと思っています。基本情報技術者試験には1回目で合格することができたからです。

私には自分に合った小さなハードルを少しずつ超えていく学習方法が合っていたので、途中で挫折することはありませんでした。
ですので、基本情報の受験を考えているIT初学者の方にも、ぜひ同じように「無理のない難易度から、段階的にITの基礎知識を学習する方法」をおすすめします。
ただ、今になってわかったのは、
- 基本情報技術者試験でも、IT初学者に無理のない難易度から、段階的にITの基礎知識を学習できる
という点です。
当時、IT初学者にとって、基本情報技術者試験はハードルが高いと考えていたのは、私のリサーチ不足だったと思っています。
ですので、いま同じように「Iパス」か「基本情報」か、どちらを受験するか迷っている方がいたら、「Iパス」からではなく「基本情報技術者試験」から受験することをおすすめします。
IT初学者にも「基本情報」がおすすめな理由
「基本情報技術者試験でも、IT初学者に無理のない難易度から、段階的にITの基礎知識を学習できる」
私がこう考えるのには、大きく2つの理由があります。
- 基本情報の「科目A試験」の難易度はITパスポート試験を若干難しくした程度
- 「科目A試験免除制度」で学習負担を軽減できる
それぞれの理由について、さらに解説していきます。
①「科目A」は「Iパス」より若干難しいだけ

「この試験はITパスポートとあんまり変わらない」。ITパスポート試験に合格してから、基本情報技術者試験の科目A試験の過去試験を解いてみた私の感想です。
そのため、ITパスポート試験のために学習した知識だけでも、科目A試験の模擬試験では合格点を取ることができました。
ですので、
- 科目A試験とITパスポート試験の難易度はほぼ同じ
と言っても過言ではないと思います。
実際のところ、「ITパスポート試験」と「科目A試験」は出題範囲はほぼ同じです。
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もちろん「基礎理論」や「コンピュータシステム」など、分野によってはITパスポート試験よりも科目A試験の方が難しい知識を問われます。
ですが、全体としては、科目A試験とITパスポート試験の難易度は、かなり似通っています。

なので、科目A試験はIT初学者にも適した難易度になっていて、無理なく「IT知識の基礎固め」ができます。これがIT初学者にも、「ITパスポート」ではなく「基本情報」からの受験をおすすめできる一つ目の理由です。
②「科目A試験免除制度」で学習負担を軽減できる
IT初学者にも「基本情報」からの受験をおすすめできる二つ目の理由が、「科目A試験免除制度」があることです。
科目A試験免除制度とは?
- 事前にIPAが認定する講座と修了認定試験を受けることで、本番の試験で「科目A試験」の受験が免除される
- 「科目A試験」の免除期間は1年間
この制度を活用するメリットは、次の通りです。
- 「科目A試験」と「科目B試験」の学習を平行して進めなくてよい
- 「科目A試験免除」の認定を受けた後は「科目B試験」の対策に集中できる
- 免除期間中は何度でも「科目B試験」だけ受験できる
基本情報技術者試験は「科目A試験」と「科目B試験」から構成されていて、IT初学者にとって特に難易度が高いのが「科目B試験」です。
「科目B試験」で合格点をとるにはしっかりとした対策が必要になりますが、通常の受験方法では平行して「科目A試験」の学習もしなければならないので、学習の負担が大きくなります。
この点が「ITパスポート」よりも「基本情報技術者」の方が難易度が高い大きな理由です。

私は先にITパスポート試験に合格していたので、「科目A試験」はすぐに合格点レベルの力がつきました。ですが、「科目B試験」の学習を始めてからも、知識が抜けないように「科目A試験」の対策も平行して行っていました。
「科目A試験免除制度」を活用していれば認定試験を受けることで、先に「科目A試験」の学習を終わらせることができたので、無駄に学習の負担が大きい方法をとってしまいました。
まとめ
以上、基本情報技術者試験がIT初学者にもおすすめできる理由について解説しました。

「基本情報」はIT初学者にとっては難易度が高いと思われがちですが、「科目A試験免除制度」を活用することで、IT初学者でも十分合格が狙える試験になると思います。
以下の記事で、科目A試験が活用できるおすすめの通信講座をご紹介していますので、ぜひこちらも参考になさってください。
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