ただ、こちらの記事でも解説しましたが、情報は「言葉によるお知らせ」だけを意味するのではありません。
言葉は人間が情報を引き出すための、ただの媒体に過ぎません。
情報=文字ではありません.
情報は文字から人間が引き出す「抽象的な知識やイメージそのもの」を指すんだね.
ですから言葉が違っても、同じ情報を引き出すことが可能です。
例えば日本語の「車」と英語の「car」。
文字は違いますが、どちらも誰もが知っているあのタイヤ付きの乗り物のことを意味しています。
この場合における情報と媒体を整理すると次のようになります。
ポイントは1つの情報を伝えるために、媒体はいくつも種類が考えられるということだね。
「コンピュータを使わないITがある」
ここまで「情報」の意味について、整理してきました。
ここからはIT(情報技術)について考えていきます。
「情報技術」を辞書で引くと以下のように説明されています。
【情報技術】
コンピューターや通信など情報を扱う工学およびその社会的応用に関する技術の総称
広辞苑
【情報技術】
コンピューターやインターネットを使って情報処理を効率的に進める技術
明鏡国語辞典
「技術」もあいまいな言葉ですが、何かをするための体系だった知識や作業全般のことです。
つまり、ITとは「情報を扱うための知識や作業全般」を指す言葉と考えることができます。
「コンピュータはなぜ動くのか」という本の中で、著者の矢沢久雄さんはこんなことを述べています。
ITは、Infomation Technology(情報技術)の略語ですが、「情報活用技術」と訳すとわかりやすいでしょう。世間一般では、IT化と言えばコンピュータ導入のことであり、IT産業と言えばコンピュータ業界のことですが、SEは「IT=コンピュータ導入」と考えてはいけません。たまたま、ITの道具としてコンピュータが便利に使えるだけのことです。極端に言えば、コンピュータを使わないITもありえます。
たとえば、皆さんは、社外の人からもらった数十枚~数百枚の名刺をお持ちでしょう。それらの名刺をどのように活用されていますか?「名刺フォルダに入れて、あいうえお順に分類し、電話や郵便で連絡したいときに参照している」…なかなかITしてますね! 「お中元やお歳暮を贈るかどうかを区別するために、仕入先、販売先などに分類している」…ますますITしてますね!ここで「ITしてますね!」とは「情報活用してますね!」という意味です。コンピュータを使っていなくても、手作業で情報活用しているなら立派なITだからです。(太字下線筆者)
矢沢久雄「コンピュータはなぜ動くのか(日経BP社 2003年)P264より引用
リンク
私はこの解説を読んだときに、ITについての理解がぐっと深まりました。
なぜなら、ITとは必ずコンピュータを使って行うものだ考えていたからです。
もちろん近年、注目を集めているITはデータサイエンスやAIといったコンピュータで行う「ザ・IT」といった技術です。
ただ、矢沢さんはITとは「情報活用技術」であり、情報を活用していれば、それはITであると述べています。
ここから私の解釈ですが、矢沢さんの考え方をもっと広げると、「言葉を使う」ということもITと呼べるのではないでしょうか。
言葉とはまさに情報を伝えるための道具であるからです。
日本語の言葉をたくさん覚えることもIT。外国語を学ぶこともIT。
一般的な理解とは少し離れてしまうかもしれませんが、そのように考えることもできそうです。
きょうのまとめ
・情報は文字などから人間が引き出す知識やイメージのこと
・ITとは「情報を載せた文字や記号,音声などの媒体を活用する技術」
・コンピュータを使わないITもありえる
用語解説
ITとはどういう意味?「コンピュータを使わないIT」ってなに?
近年、「IT」という言葉が盛んに用いられるようになりました。
「社内のIT化」、「IT教育」などなど。
ですが、ITがなにを指す言葉なのか、はっきりと理解できているでしょうか。
ITとはInfomation Technologyの略です。日本語では情報技術と訳します。
一般的にはコンピュータを作ったり、利用したりすること全般がIT=情報技術と理解されています。
ただ、実はコンピュータを使わないITがあるということをご存知でしょうか。
「ITってコンピュータを使わずに済むの?」
この記事ではITという言葉の基本的な意味を、わかりやすく解説します。
ITへの理解を、もう一段階深めていきましょう。
「Infomation=情報」の2つの意味
「情報」を辞書で引くと、以下の解説が出てきます。
「情報」とはなんだろう?「お知らせ」と違いはあるの?
きょうは「情報」という言葉について、解説します。 「情報化社会」・「〇〇大学情報学部」など、あちらこちらで使われている「情報」という言葉。 でも、疑問に思ったことはないでしょうか。 情報とは英語で「イ ...
ただ、こちらの記事でも解説しましたが、情報は「言葉によるお知らせ」だけを意味するのではありません。
言葉は人間が情報を引き出すための、ただの媒体に過ぎません。
情報=文字ではありません.
情報は文字から人間が引き出す「抽象的な知識やイメージそのもの」を指すんだね.
ですから言葉が違っても、同じ情報を引き出すことが可能です。
例えば日本語の「車」と英語の「car」。
文字は違いますが、どちらも誰もが知っているあのタイヤ付きの乗り物のことを意味しています。
この場合における情報と媒体を整理すると次のようになります。
情報:「タイヤ付きの乗り物」のイメージ
媒体:「車」「car」という文字
ポイントは1つの情報を伝えるために、媒体はいくつも種類が考えられるということだね。
「コンピュータを使わないITがある」
ここまで「情報」の意味について、整理してきました。
ここからはIT(情報技術)について考えていきます。
「情報技術」を辞書で引くと以下のように説明されています。
「技術」もあいまいな言葉ですが、何かをするための体系だった知識や作業全般のことです。
つまり、ITとは「情報を扱うための知識や作業全般」を指す言葉と考えることができます。
「コンピュータはなぜ動くのか」という本の中で、著者の矢沢久雄さんはこんなことを述べています。
私はこの解説を読んだときに、ITについての理解がぐっと深まりました。
なぜなら、ITとは必ずコンピュータを使って行うものだ考えていたからです。
もちろん近年、注目を集めているITはデータサイエンスやAIといったコンピュータで行う「ザ・IT」といった技術です。
ただ、矢沢さんはITとは「情報活用技術」であり、情報を活用していれば、それはITであると述べています。
ここから私の解釈ですが、矢沢さんの考え方をもっと広げると、「言葉を使う」ということもITと呼べるのではないでしょうか。
言葉とはまさに情報を伝えるための道具であるからです。
日本語の言葉をたくさん覚えることもIT。外国語を学ぶこともIT。
一般的な理解とは少し離れてしまうかもしれませんが、そのように考えることもできそうです。
きょうのまとめ
・情報は文字などから人間が引き出す知識やイメージのこと
・ITとは「情報を載せた文字や記号,音声などの媒体を活用する技術」
・コンピュータを使わないITもありえる