この記事でわかること
- 初学者の文系社会人がITパスポートに合格するために必要な学習時間の目安
- 学習時間を確保するためのポイント
「IT初学者の文系社会人がITパスポートに合格するには、どれくらいの学習時間が必要なの?」
「1カ月で合格することは可能なの?」
ITパスポートは初学者向けの試験と言われていますが、実際のところ合格するまでに学習時間はどれくらい必要なのか気になるところですよね。
私の受験経験に照らすと、回答は次の通りです。
- 初学者の文系社会人がITパスポートに合格するために必要な学習時間は約100時間
- 1カ月で合格はムリ。「1日の学習時間を45分として約4カ月」とみておくのが現実的
この記事では、実際にITパスポートに合格した私の体験談をもとに、必要な学習時間と学習期間の目安について解説していきます。
ITパスポートとは?
ITパスポート試験は、「情報処理の促進に関する法律」に基づき、経済産業省が「ITに関する知識と技能が一定以上の水準」であることを認定する国家試験「情報処理技術者試験」の試験区分の一つです。
名称 | ITパスポート試験(公式HP) |
認定団体 | 経済産業省 |
実施団体 | 情報処理推進機構(IPA) |
スキルレベル | レベル1 |
実施時期 | 通年 |
実施方式 | CBT方式(コンピュータ利用による試験) |
試験内容 | 120分/四肢択一式/出題数100問 ストラテジ系(経営全般):35問程度 マネジメント系(IT管理):20問程度 テクノロジ系(IT技術):45問程度 |
受験の対象者像 | 職業人及びこれから職業人となる者が備えておくべき,IT に関する共通的な基礎知識 をもち,IT に携わる業務に就くか,担当業務に対して IT を活用していこうとする者 |
受験者数(合格率) | 2018年 9万5187人(51.7%) 2019年 10万3812人(54.3%) 2020年 13万1788人(58.8%) 2021年 21万1145人(52.7%) 2022年 23万1526人(51.6%) |
受験手数料 | 7500円 |
ざっくりいうと、ITに詳しくない人が、ITの基礎知識を習得するための試験です
2009年から始まった試験で、通称「Iパス」と呼ばれています。
「ITに関する基礎的な知識を証明できる国家試験」として近年特に受験者が増えていて、取得を推奨する企業も多くなっています。
私が調べたところ、厳密にはITパスポートは「国家資格」ではなく「国家試験」と呼ぶのが適切だそうです。ITパスポートに合格したからといって、専門的に従事できる業務がないというのが理由です。
しかし、「資格」ではないからといっても、国がITに関する基礎知識を認めてくれることには変わりありません。
ITパスポートに合格することで身につくのは、主に次のような分野に関する基礎知識です。
- 業務に必要なITの基礎知識
- 情報セキュリティ/情報モラルに関する知識
- 企業コンプライアンスに関する知識
- 経営全般に関する知識
ITパスポート試験はITに関する知識だけではなく、会社で働く上で必要な経営知識なども学べることも大きな特徴です。
その他、試験の概要や取得するメリットは、以下の記事にまとめてありますで、ぜひご覧ください。
関連記事
各スクールの分析は?「1日2時間で、約3カ月」
私の体験談を話す前に、まずITパスポートの通信講座を提供している各スクールの意見をみてみましょう。
ITパスポートに合格するには、どれくらいの勉強時間が必要なのか。以下に、主要スクールの意見をまとめました。
スクール名 | 参考ページ | 総勉強時間 | 勉強期間 |
ヒューマンアカデミー |
ITパスポート試験対策講座 | (記載なし) | 最短約2週間(一日1教程を勉強した場合) |
オンスクJP | ITパスポートの難易度・合格率 | 約100時間 | 1日1時間(週6日)として、約4カ月 |
フォーサイト | ITパスポート試験合格に向けて必要な勉強時間は? | 約100時間~180時間 | 1日2時間として、約3カ月 |
LEC | ITパスポート試験 | 約100時間~150時間 | 1日2時間として、2~3カ月 |
スタディング | ITパスポート試験はどれくらいの期間の勉強時間が必要か? | 約180時間 | 1日2時間として、約3カ月 |
クレアール | ITパスポート試験合格のための学習方法 | 約180時間 | 1日2時間として、約3カ月 |
ユーキャン |
ITパスポート試験の難易度と合格率 | 受験に必要な知識・勉強時間まで解説 |
約180時間 |
1日2時間として、約3カ月 ※スタディングの記事内容を引用 |
TAC | ITパスポート試験の合格に必要な勉強時間は?ケース別に詳しく解説! | 約180時間 | 1日2時間として、約3カ月 |
各スクールとも、ほとんど意見が同じで、初学者に必要な総勉強時間は「約180時間」で、勉強期間は「1日2時間として、約3カ月」としています。
私の体験談…現実的な勉強期間は「1日45分で4カ月」
さて、皆さん、各スクールの試算をみて、どのように感じられたでしょうか。
「180時間も勉強したくない…」
「勉強時間を1日2時間も確保するなんて、無理…」
そんな声も聞こえてきそうです。
では、実際にITパスポート試験に合格した私の場合は、どのくらいの時間が必要だったのか。
私の総勉強時間と勉強期間は、次の通りです。
- 総勉強時間:約100時間
- 勉強期間:1日45分として、約4カ月
合格に180時間は必要か?
結果的にですが、私は180時間も勉強せずに合格ができました。
私が合格するまでの勉強時間は100時間ほどでした。
各スクールの試算の中では、もっとも短い勉強時間にあたりますが、100時間でも合格は可能だと私は思います。
多くのスクールが試算する「180時間」という勉強時間は、ITパスポートで問われる知識が本当にまったくのゼロから合格するために必要な最大量という理解をするのが、妥当だと思います。
実際には、事前にどれくらい知識があるかによって、総勉強時間は変わってきます。
一定の社会人経験がある人であれば、すでにITパスポートで問われる知識を一定量習得しているケースも珍しくないと思います。
まさに、私がそうだったからです。
私は受験当時は30歳で、もちろんITに関しては初学者でした。
しかし、ITパスポート試験では、いわゆるIT知識の他にも、「企業活動」や「法務」、「経営戦略」など(ストラテジ系)の知識も多く問われます。
実は私は、ストラテジ系に関する知識は、それまでの社会人経験の中で少なからず学習していました。
ですから、ストラテジ系の勉強に関しては、かなり時間を短縮することができた思っています。
そのほか、試験で問われるIT系の知識についても、仕事で少しでもパソコンを使っている方であれば、答えられる内容もあります。
ITパスポートに合格するには、必ず「180時間」もかかるとは思わず、実際の学習時間は「100時間」くらいと考えておくのが妥当だと思います。
1日2時間も勉強できるか?
このように、私は多くのスクールが試算している総勉強時間よりも少ない時間で、ITパスポート試験に合格することができました。
とは言っても、実際に勉強していた期間は、多くのスクールの試算である3カ月よりも1カ月長い、4カ月ほどかかりました。
理由は、1日の勉強時間が、十分に確保できなかったからです。
各スクールは「1日2時間の勉強」を掲げています。しかし、学生ならいざしらず、ただでさえ今の仕事が忙しくて、時間に追われている社会人にとって、「1日2時間」も勉強時間を確保するのは、はっきり言って不可能です。
私がITパスポートに合格したときは、1日30∼45分の勉強時間を確保することが精一杯でした。
自宅に帰ってきて、夕飯や入浴を済ませて、寝る前に30分という感じです。
1日45分勉強したとして、合格に必要な100時間の勉強時間を確保するには、133日かかります。
- 6000分(100時間)÷45分=133日
というわけで、合格するまでに約4カ月かかりました。
まとめ
以上、私の体験談を交えながら、ITパスポート試験に合格するための総勉強時間と勉強期間についてお伝えしました。
- 文系でIT初学者の社会人が、ITパスポートに合格するために必要な勉強時間は約100時間
- 1カ月で合格はムリ。勉強時間を1日45分として、勉強期間は約4か月とみておくのが現実的
もちろん、個人差はあると思いますが、「社会人としての経験と忙しさ」を考慮すると、「1日45分の勉強時間で、約4カ月で合格」が現実的な目標ではないかと思います。
ITパスポート試験の受験を考えている方には、以下の参考書とスクールがお勧めです。是非、あわせて読んでみてください。
関連記事
関連記事