この記事でわかること
- 社会人が学び直しに使う費用は平均月額1.6万円
- 学び直しで3年後の年収が16万円アップする
- 学び直しは大きなリターンが見込める自己投資になる

学び直しをしている(これからしようとしている)皆さんは、他の社会人が学び直しにどのくらいの費用をかけているかご存知ですか。
ある調査によると、平均的な社会人の学び直し費用は月額1.6万円になるといわれています。
本記事では、その調査の概要と、学び直しの効果について解説します。
本記事は経済財政白書(2018年度)『「白書」:今、Society 5.0 の経済へ』の中の「社会人の学び直し(リカレント教育)とキャリア・アップ」を基に作成しました。
学び直し費用の平均月額は?
2018年度に発表された国の経済財政白書によると、学び直しをした社会人が充てた費用の平均は以下の通りです。

仕事に就いている人の平均は、月額1.6万円。
仕事に就いてない人の平均は、月額1.8万円となっています。

ここで注意が必要なのは、働いているすべての社会人が「月額1.6万円」も学び直しに使っているわけではないということです。
あくまで、学び直しをしている人が平均的に使っている金額です。
とはいっても、学び直しの方法は様々。
学び直しの方法ごとの平均費用を表したのが次のグラフです。

「通学」「通信講座」「その他」とは、具体的には次のことを指しています。
- 通学:大学・大学院、専門学校、公共職業訓練等への通学
- 通信講座:通信制大学を含む通信講座の受講
- その他:書籍での学習、講演会・セミナー、社内の勉強会等
これをみると、やはり学校に通う形の学び直しの費用は大きくなるようです。
国立大学の1年間の授業料が、平均して約53万円ということですから、月額にすると約4万5000円。
授業で使う書籍代などを含めると、グラフのような月額になりそうです。

すでに学び直しをされている方は、自分が使っている金額が平均と比べて多いのか少ないのか判断していただけたでしょうか。
月額1.6万円は妥当なのか?
さて、仕事をしている社会人が学び直しに使う平均費用は月額1.6万円。
この金額について、皆さんはどう感じたでしょうか。
月額1.6万円を高いと思いますか?安いと思いますか?
ここで考えてみたいのは、学び直しをすることで得られる金銭的なリターンについてです。

学び直しは様々なことを知って人生を豊かにするために行う人もいますが、私はあくまで学び直しは自己投資という認識。
投資である以上、将来的に収入アップという形できちんとリターンがもたらされることが理想です。
学び直しをすることで、収入はアップするのか。
この点に関して、経済財政白書(2018年度)に興味深いグラフがあったのでご紹介します。

注目していただきたいのは、左側の「年収の変化」についてのグラフです。
これは、学歴や年齢・世帯年収などの属性が同じ30歳以上の男女を対象に、自己啓発を行った人とそうでない人で、1∼3年後の年収がどのように変化したのかを表しています。
その結果、「自己啓発を実施した人と実施しなかった人の年収変化の差額は、1年後には有意な差はみられないが、2年後では約10万円、3年後では約16万円でそれぞれ有意な差がみられた」のです。

3年後で16万円の差ですから、それ以降もさらに年収の差は大きくなると考えられます。
学び直しにはそれだけのメリットがあるということです。
それを考えれば、月1.6万円の投資は妥当と言えるのかもしれません。
まとめ
この記事のまとめ
- 社会人が学び直しに使う費用は平均月額1.6万円
- 学び直しで3年後の年収が16万円アップする
- 学び直しは大きなリターンが見込める自己投資になる