高度情報化社会といわれる現代。
私たちの身の回りには、数多くの「情報」が溢れていて、日々、膨大な量の「情報」が生産されています。
この記事では「情報」というものに着目し、「情報化」という作業のメリットについて、解説します。
結論を先に言えば、情報化のメリットととして、以下の点が挙げられます。
- 情報化のメリット① 経験や知識などを共有できる
- 情報化のメリット② 経験や知識などを保存できる
- 情報化のメリット③ 重要な要素の取捨選択ができる
以上、3点のメリットについて、順番に解説していきます。
「情報」ってなんだろう?
まず、「情報」の意味についてです。
辞書では、情報という言葉は、以下のように説明されています。
【情報】
①ある事柄の内容や事件などについての知らせ
②文字・記号・音声など,種々の媒体によって伝達され,受け手の判断・行動などのよりどころとなる知識や資料
明鏡国語辞典
①の意味は、すんなり理解ができるかと思います。
普段、私たちは「情報」という言葉を①の意味で捉えているからです。
「新しい情報が入った」、「よい情報を聞いた」などと言う場面では、情報を①の意味で使っています。
しかし、「情報」というものの性質を理解するにあたって、重要になるのが②の意味です。
文字・記号・音声など,種々の媒体によって伝達され,受け手の判断・行動などのよりどころとなる知識や資料」
②の意味は、①の意味を小難しく言い換えただけのようにも思えます。
特に注目していただきたいのは、「文字・記号・音声など,種々の媒体によって伝達され」という部分です。
この説明からわかるのは、情報を伝える媒体は文字や音声に限らず何でもよいという点です。
一見、当たり前のように思われるかもしれませんが、信号機を想像してみてください。
信号機は色の変化でドライバーに「交差点に安全に進入できるかどうか」を伝えています。
大昔の人々は狼煙を上げて、遠くの仲間に情報を伝えていました。この際には「煙の形」が、情報を伝える媒体になりました。
私たちは普段、文字や音声だけが情報を伝える媒体と考えてしまいがちですが、情報を読み解く仕組みさえ共有されていれば、様々なものが情報を伝える媒体になり得るのです。
これが情報というものの性質です。
情報化とは「物事を表現すること」
ここまで情報とは何かについて、説明してきました。
【情報】
①ある事柄の内容や事件などについての知らせ
②文字・記号・音声など,種々の媒体によって伝達され,受け手の判断・行動などのよりどころとなる知識や資料
明鏡国語辞典
さらに「情報化」の意味について考えると、辞書の説明から、以下のように定義することができます。
情報化とは
受け手の判断・行動などのよりどころとなる知識などを、受け手に伝達するために、文字・記号・音声など、種々の媒体で表現すること
メールを送ったり、メモを残したり。これらの行為は、文字という媒体を使って行う情報化です。
話すことは、音波を使った情報化。信号機は、光を使った情報化を行っていると理解することができます。
情報化のメリット① 経験や知識などを共有できる
情報化のメリットとして、真っ先に挙げることができるのが「共有」です。
自らの経験や知識などを、何らかの形がある物理的な媒体に置き換えること(情報化)で、他人と共有をすることができます。
人間は、思考をする時に脳内で電気信号を変化させているそうですが、この電気信号を他人と直接、共有することはできません。
声帯を震わせて、音波を発する(言葉に出す)ことで初めて、思考は情報化され、他人に届くようになります。
「情報化による共有」ができれば、自分ではできないことを、誰かにやってもらうことも可能になります。
情報化のメリット② 経験や知識などを保存できる
2つ目のメリットは、情報化することで、経験や知識などを保存できることです。
情報化する媒体に音を使うのでは、すぐに消えてしまいますが、紙とインクを媒体にして、情報を文字として残せば、長期間、保存することが可能になります。
古代エジプトで使われていた、世界で最も古い文字であるヒエログリフは、石などの硬い物質を媒体に、彫って文字を残す事で、今日まで情報を伝え続けています。
こうした情報化による経験や知識の保存は、学習という面において人類に大きな影響を与えています。
1人の人間が生涯で経験したり、行動したりすることには自ずと限界があります。
しかし、本などの情報媒体が作られたことで、たった1人の人間が、過去に何人もの人が生涯をかけて得た知識を得ることもできます。人類の知の蓄積は、情報化による保存の賜物と言えそうです。
情報化のメリット③重要な要素の取捨選択ができる
最後にお伝えしたいのが、情報化という作業を通じて、「共有や保存をしたい物事の中で、重要な要素は何なのか」を考え、取捨選択ができる点です。
情報化するために必要になる媒体(紙など)には、容量に限りがあります。
紙を何百枚使ったり、何時間も話したりして、多くの要素を情報化することも可能ですが、実用的ではありません。
現実的には、「A4一枚でまとめる」とか、「5分で話す」とか、簡潔に情報化することが求められます。
物事のすべてを情報化することは難しいため、情報化しない要素を決める必要が出てきます。
この作業を通じて、改めて物事について、「伝えるべき要素はどこなのか」という視点で深く考えることができるようになります。
物事を情報化せずに、頭の中に記憶として保存しておくだけでは、この優先順位付けは行うことは難しいでしょう。
情報化という作業を通じて、頭の中の記憶が整理され、要点をつかみやすくなります。
まとめ
- 情報化のメリットは経験や知識などの「共有」・「保存」、「重要な要素の取捨選択」
- 特に「重要な要素の取捨選択」をすることで、記憶が整理され、要点がつかめるようになる。
用語解説
情報化するメリットは?「共有」・「保存」と「頭の整理」
高度情報化社会といわれる現代。
私たちの身の回りには、数多くの「情報」が溢れていて、日々、膨大な量の「情報」が生産されています。
この記事では「情報」というものに着目し、「情報化」という作業のメリットについて、解説します。
結論を先に言えば、情報化のメリットととして、以下の点が挙げられます。
記事のポイント
以上、3点のメリットについて、順番に解説していきます。
「情報」ってなんだろう?
まず、「情報」の意味についてです。
辞書では、情報という言葉は、以下のように説明されています。
①の意味は、すんなり理解ができるかと思います。
普段、私たちは「情報」という言葉を①の意味で捉えているからです。
「新しい情報が入った」、「よい情報を聞いた」などと言う場面では、情報を①の意味で使っています。
しかし、「情報」というものの性質を理解するにあたって、重要になるのが②の意味です。
②の意味は、①の意味を小難しく言い換えただけのようにも思えます。
特に注目していただきたいのは、「文字・記号・音声など,種々の媒体によって伝達され」という部分です。
この説明からわかるのは、情報を伝える媒体は文字や音声に限らず何でもよいという点です。
一見、当たり前のように思われるかもしれませんが、信号機を想像してみてください。
信号機は色の変化でドライバーに「交差点に安全に進入できるかどうか」を伝えています。
大昔の人々は狼煙を上げて、遠くの仲間に情報を伝えていました。この際には「煙の形」が、情報を伝える媒体になりました。
私たちは普段、文字や音声だけが情報を伝える媒体と考えてしまいがちですが、情報を読み解く仕組みさえ共有されていれば、様々なものが情報を伝える媒体になり得るのです。
これが情報というものの性質です。
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情報化とは「物事を表現すること」
ここまで情報とは何かについて、説明してきました。
さらに「情報化」の意味について考えると、辞書の説明から、以下のように定義することができます。
情報化とは
受け手の判断・行動などのよりどころとなる知識などを、受け手に伝達するために、文字・記号・音声など、種々の媒体で表現すること
メールを送ったり、メモを残したり。これらの行為は、文字という媒体を使って行う情報化です。
話すことは、音波を使った情報化。信号機は、光を使った情報化を行っていると理解することができます。
情報化のメリット① 経験や知識などを共有できる
情報化のメリットとして、真っ先に挙げることができるのが「共有」です。
自らの経験や知識などを、何らかの形がある物理的な媒体に置き換えること(情報化)で、他人と共有をすることができます。
人間は、思考をする時に脳内で電気信号を変化させているそうですが、この電気信号を他人と直接、共有することはできません。
声帯を震わせて、音波を発する(言葉に出す)ことで初めて、思考は情報化され、他人に届くようになります。
「情報化による共有」ができれば、自分ではできないことを、誰かにやってもらうことも可能になります。
情報化のメリット② 経験や知識などを保存できる
2つ目のメリットは、情報化することで、経験や知識などを保存できることです。
情報化する媒体に音を使うのでは、すぐに消えてしまいますが、紙とインクを媒体にして、情報を文字として残せば、長期間、保存することが可能になります。
古代エジプトで使われていた、世界で最も古い文字であるヒエログリフは、石などの硬い物質を媒体に、彫って文字を残す事で、今日まで情報を伝え続けています。
こうした情報化による経験や知識の保存は、学習という面において人類に大きな影響を与えています。
1人の人間が生涯で経験したり、行動したりすることには自ずと限界があります。
しかし、本などの情報媒体が作られたことで、たった1人の人間が、過去に何人もの人が生涯をかけて得た知識を得ることもできます。人類の知の蓄積は、情報化による保存の賜物と言えそうです。
情報化のメリット③重要な要素の取捨選択ができる
最後にお伝えしたいのが、情報化という作業を通じて、「共有や保存をしたい物事の中で、重要な要素は何なのか」を考え、取捨選択ができる点です。
情報化するために必要になる媒体(紙など)には、容量に限りがあります。
紙を何百枚使ったり、何時間も話したりして、多くの要素を情報化することも可能ですが、実用的ではありません。
現実的には、「A4一枚でまとめる」とか、「5分で話す」とか、簡潔に情報化することが求められます。
物事のすべてを情報化することは難しいため、情報化しない要素を決める必要が出てきます。
この作業を通じて、改めて物事について、「伝えるべき要素はどこなのか」という視点で深く考えることができるようになります。
物事を情報化せずに、頭の中に記憶として保存しておくだけでは、この優先順位付けは行うことは難しいでしょう。
情報化という作業を通じて、頭の中の記憶が整理され、要点をつかみやすくなります。
まとめ
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