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「名目」と「実効」は大違い インターネットの通信速度の見極め方

テレワークやオンラインゲームなどによる需要の増加で、一般家庭向けのインターネット回線でも「10Gbps」や「20Gbps」といった高速回線を提供する事業者も出てきました。

一般的な光回線は「1Gbps」が多いですが、皆さんは自分が契約したインターネット回線が、どの程度の速さか、測定したことはありますか?

実は簡単に測定できるのですが、そこで思わぬ数字に出くわします。

「(測定結果:80Mbps)」

「あれ、80Mbps?1Gbpsじゃないの?」

実は1Gbpsの契約をしたはずなのに、速度を測ってみると数十Mbpsなんてことがよくあります。

「何か回線に問題があるの?」と考えてしまいますが、そうではありません。

数十Mbpsで十分、高速なのです。

この現実を理解するには、インターネットの通信速度における「名目速度」「実効速度」の違いを理解する必要があります。

この記事では、私たちが見落としがちなインターネットの通信速度の基本をおさらいします。

インターネットの速さの単位=「bps」

まず、インターネット回線の速さを表すには、「bps」という単位が使われます。

bpsは「ビーピーエス」と読み、bits per second(ビット・パー・セカンド)の略です。ビットはデータの最小単位のことで、 パーは「~ごとに」 、セカンドは「秒」という意味になります。

つまり、bpsとは「1秒ごとに何ビットのデータを伝送できるのか」を表しています。

1秒間に伝送できるデータが多ければ多いほど、「速い」回線ということができます。

bpsとは

bit=データの単位、per=~ごとに、second=1秒

bit per second(bps)とは「1秒ごとに伝送できるビットの量」

現在では1秒間にMbit(メガビット)、つまり、1000000ビットものデータを伝送できるのが主流です。1秒間に20Mbitを伝送できる回線は、「20Mbps」と表記されます。

最大1Gbpsは嘘⁉「名目速度」と「実効速度」

近年では、通信速度「最大1Gbps」を掲げるインターネット事業者が多くあります。 この回線では1秒間に1ギガビットのデータを伝送できることになります。

中には「最大10Gbps」「最大20Gbps」とするサービスもあります。1Gbpsは1Mbpsの1000倍です。通信速度が速ければ速いほど、インターネットを快適に使うことができるわけです。

ただ、ここで注意が必要なのが、事業者が掲げる最大1Gbpsなどの速度は「名目速度」で、実際の速度である「実効速度」とは大きな違いがあります。

「名目速度」と「実効速度」の違いを整理すると、以下のようになります。

名目速度とは

回線の規格などから理論的に出すことができる最大限の速度

実際には名目速度でインターネットが利用できるとは限らない

実効速度とは

実際にインターネットを利用した際に出ている通信速度

名目速度より遅くなる

インターネット回線では、「名目速度」が1Gbpsでも、「実効速度」は100Mbpsということは普通に起こりえます。名目速度と実効速度に10倍の開きがあることも、珍しくないのです。

インターネット回線を高速道路に例えるなら、名目速度は道路上で自動車が出すことができる法定最高速度で、実効速度は実際に走行している自動車のスピードです。

多くの高速道路では自動車は時速100キロまでスピードを上げることができますが、常にこの速度で走り続けられるかと言えば、そうではありません。

道路が混雑してきたり、雨が降ってきたりすれば、状況に応じて速度を落とさなくてはなりません。

高速道路は「最高時速100キロ(名目速度)」をうたう専用道路ですが、実際に走行する自動車の速度(実効速度)は100キロを下回ることもあります。

こうした状況に応じた速度の変化が、インターネット回線にも当てはまるのです。

インターネットの実行速度の測り方

あなたが契約しているインターネット回線の実効速度は、以下のサイトなどで簡単に測ることができます。

実効速度を測定する

Googleのインターネット速度テスト

 ⇒「インターネット速度テスト」と検索。「速度テストを実効」をクリック

NETFLIXのスピードテスト

USENのスピードテスト

ぜひ一度、自身の通信環境を調べてみてはいかがですか。

まとめ

インターネットの速度には「名目速度」と「実効速度」がある。

名目速度は、混雑していない場合の理論値で、実際の通信速度は実効速度を指す。

名目速度とは

▶回線の規格などから理論的に出すことができる最大限の速度

▶実際には名目速度でインターネットが利用できるとは限らない

実効速度とは

▶実際にインターネットを利用した際に出ている通信速度

▶名目速度より遅くなる